胃痛

このような症状がある方へ

みぞおち付近の痛みで、心窩部痛と呼びます。

早急な受診が必要な症状

上記に当てはまる方は速やかにご相談ください。

胃の不調の原因

胃の不調は以下の3つの原因でおこると考えられています。

ピロリ菌感染

ピロリ菌胃粘膜にピロリ菌が感染すると胃粘膜に炎症がおき、胃もたれや胸焼け、吐き気、胃痛などの違和感や症状を認めることがあります。

通常の細菌は胃に入ると胃酸によって死滅してしまいますが、ピロリ菌はウレアーゼという特殊な酵素をもっていて、アンモニアを作りだすことができます。
胃酸をアンモニアで中和することで、ピロリ菌は胃の中に棲みつくことができます。
ピロリ菌はアンモニアとサイトトキシンという毒素を作りだすことで胃粘膜にダメージを与え、慢性的な炎症をおこします。
炎症が長く続くことで、胃の粘膜は傷つき萎縮します。

ピロリ菌が感染することで、胃・十二指腸潰瘍のリスクが高まります。
また胃の粘膜が萎縮すると胃がんのリスクが高まります。

胃・十二指腸潰瘍や胃がんを予防するために、ピロリ菌の除菌治療が効果的です。
胃カメラ検査の際にピロリ菌感染に関してもチェックすることができます。
胃カメラ検査でピロリ菌感染に伴う所見を認め、検査でピロリ陽性と判定されましたら保険診療で除菌治療を受けていただけます。

ストレスによる自律神経の乱れ

ストレスがある女性内臓は自律神経の働きでバランス良くコントロールされています。
ストレスなどで自律神経の働きが乱れると、胃酸が過剰に分泌され、胃や十二指腸の粘膜がダメージを受け、胃痛を認めます。
また自律神経の働きで知覚過敏の状態になると、痛みを強く感じやすくなることがあります。

食生活の乱れ

暴飲暴食する女性日頃から暴飲暴食をしている方は、胃腸の調子が乱れがちになります。
食生活を見直していきましょう。
飲酒や喫煙、日常的にカフェイン飲料を飲む習慣がある方は、飲み過ぎや吸い過ぎに気をつけてください、
炭酸飲料や香辛料などの刺激物を摂り過ぎると、胃酸が過剰に分泌されるようになりますので、適量を心がけてください。

胃痛を引き起こす疾患

急性胃炎

胸焼けストレスによる自律神経の乱れや、暴飲暴食がきっかけとなることがあります。
その他痛み止めのお薬(非ステロイド性消炎鎮痛剤)や、アニサキス感染、ウイルス感染、細菌感染(ピロリ菌感染も含みます)が原因となることがあります。
突然、みぞおちに強い痛みを感じたり、胸焼けや胃の膨満感などの不快感、吐き気・嘔吐などの症状を認めます。
ひどくなると吐血や下血を認めることがあります。

慢性胃炎

胃痛に苦しむ女性慢性胃炎とは、長期間にわたり胃の粘膜に炎症が起きている状態です。
慢性的に胃に炎症がおこることで、胃の粘膜は薄く脆く萎縮してしまいます。
この状態を萎縮性胃炎とよびます。
慢性胃炎の80~90%はピロリ菌感染症が原因と言われています。
その他、痛み止めのお薬(非ステロイド性消炎鎮痛剤)(ロキソニン等)の長期間服用、ピロリ菌感染、ストレス、食べすぎ・飲みすぎなどが原因となります。

胃もたれ、胸焼け、胃痛、吐き気といった症状を認めることがあります。
症状がある場合は、胃酸抑制剤や胃粘膜保護剤などのお薬の服用で治療します。
症状は緩和されますが、再発率が高く完治のためには専門的な治療が必要です。
ピロリ菌が感染が原因となる場合は、将来胃癌を発症するリスクが高まるため、除菌治療をおすすめします。
萎縮性胃炎が進行すると胃がんを発症するリスクが高まります。
早期発見と早期治療のため、定期的に胃カメラ検査を受けることをおすすめします。

アニサキス症

お刺身アニサキスはサバ、サンマ、イカ、サケ、イワシ、カツオといった普段からよく食べる魚介類の内臓に寄生する寄生虫です。
生食や十分に加熱しないで摂取した場合、感染の恐れがあります。
魚介類の生食を避けること、充分に加熱調理(60℃で1分以上)、または冷凍処理(-20℃で24時間以上)することが予防につながります。
酢、しょう油、ワサビではアニサキスは死滅しないため、注意が必要です。
胃アニサキス症は胃やみぞおち付近の強烈な痛み、吐き気、嘔吐といった症状が現れます。
内視鏡でアニサキス虫体を除去することができれば症状はすぐに良くなりますので、気になる症状があれば食事を控えた状態で当院までご相談ください

胃けいれん

食欲が低下している女性胃の壁の筋肉がなんらかの原因でけいれんする症状を「胃けいれん」と呼びます。

胃の筋肉が痙攣し、神経が刺激されることで胃が締め付けられるように痛んだり、食欲低下や吐き気といった症状を認めます。
一般的には上に書かれた様な症状を胃けいれんと呼び、「胃けいれん」とはという正式な病名はありません。
胃潰瘍や胃アニサキス症など、胃自体に生じたトラブルで起きる「胃けいれん」と、胃以外の臓器に生じたトラブルで起こる「胃けいれん」があります。
胆石症や胆のう炎、胆管炎、膵炎、急性虫垂炎などで「胃けいれん」の症状を認めることがあり、早急に治療が必要となります。

逆流性食道炎

胸焼け症状がある女性胃酸や胃液などの胃の内容物が食道に逆流することで、食道の粘膜に炎症が起こります。
すっぱいものがこみ上げる、胸焼けがする、胃が痛む、みぞおちから胸にかけてむかつく、げっぷが出る、喉に痛みや違和感があるなどの症状を認めます。
食事の後は胃の内容物が逆流しやすい状態にあるため、食後は逆流性食道炎の症状が出やすくなっています。
逆流を予防するためにも、飲食をした後30分程度は横にならず、座ってお過ごしください。

胃・十二指腸潰瘍

貧血症状がある女性胃粘膜から分泌される胃液には食物を消化したり、体の外から細菌が侵入することを防ぐために塩酸と同じくらい強い胃酸が含まれています。
胃粘膜は通常は粘液という液体で守られているため、胃酸で溶かされることはありません。
胃酸の分泌が増えたり、粘液が減ってしまうと胃や十二指腸の粘膜は胃酸によってダメージを受け、粘膜がただれたりはがれ落ちたりします。
粘膜の浅い傷をびらん、深い傷を潰瘍と呼びます。
ピロリ菌感染が原因となることがほとんどですが、痛み止めや血液をサラサラにするお薬の副作用、飲酒喫煙、ストレスなどが原因となることもあります。
みぞおちの痛み、胸やけ、膨満感、胸痛、腹痛、タール便、食欲低下、貧血などの症状を認めることがあります。

機能性ディスペプシア

胃が痛む女性胃もたれ、胃の痛み、胃のむかつきといった症状が起こる一方で、胃カメラや血液検査では胃がんや胃潰瘍といった異常が見つからず、症状の原因がわからない場合は、機能性ディスペプシアの可能性が高まります。胃の知覚過敏、機能障害、精神的要因などが原因とされ、症状に応じて最適なお薬の処方を検討します。<br/ >消化管の機能改善を図るお薬、生活習慣の見直しが症状改善に効果的とされています。

胃がん

胃が痛む女性胃がんは早期の段階では、全く症状がないことも珍しくありません。
胃がんが進行すると、胃の痛みや、違和感、食欲不振や吐き気などの症状を認めることがあります。

胃痛の検査

胃カメラ検査

上部消化管(食道・胃・十二指腸)の粘膜をくまなく観察し、痛みの原因となる病気がないかチェックすることができます。
上部消化管に炎症や潰瘍、がんなどの腫瘍がないかくわしく調べます。疑わしい病変を認める場合は組織を採取し病理検査に提出することで、診断が確実になります。
胃カメラ検査中に、出血を認める場合は内視鏡で血を止める処置も受けていただけます。
ピロリ菌の感染が疑われる場合は、胃カメラ検査の際にチェックすることができます。
ピロリ菌陽性と判明した場合は、治療を受けていただくことができます。

腹部エコー検査

腹部エコー検査で、お腹の臓器を詳しく観察し、腹痛の原因を調べます。
肝臓や胆のう、胆管、膵臓、腎臓や尿管、胃や腸などの消化管、膀胱、子宮や卵巣などに問題がおきていないかおなかに水がたまっていないか?など、詳しく観察し診断します。
腹部エコー検査は、被ばくの心配が全くありません。妊娠中の方やお子様でも安全に受けていただくことができます。

血液検査

胃やみぞおちの痛みを認めた際に血液検査を実施すると、血液検査の結果から

などの情報が得られます。 血液検査の結果で、追加の検査が必要か、どの検査を受けていただく事が望ましいかを判断できます。

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